朝、ホイロを開けた瞬間「あ、やってしまった」と思いました。
ふっくら立ち上がっているはずのハンバーガーバンズが、平らに広がって隣同士くっついている——。梅雨の高湿度を、いつもと同じ感覚で扱ってしまった日の話です。
同じ失敗をしないために、その日のデータと一緒に原因と対策をまとめておきます。
この記事でわかること
- 梅雨の高湿度で生地が「過発酵」する仕組み
- ハンバーガーバンズが平らに潰れてしまう本当の原因
- 湿度の高い日に発酵を失敗しないための 3つの調整ポイント
- 「過発酵かも?」を見分けるチェック方法
その日の天気データ
まずは、失敗した日の条件を残しておきます。

▲ キャプション例:6月14日 早朝5時台のデータ。気温21.1℃なのに湿度は93%
- 気温:21.1℃(体感 23.8℃)
- 湿度:93%
- 風速:8km/h
- 計測:早朝 5時台
気温だけ見ると「涼しいな」という数字です。ところが 湿度が93%。ここが落とし穴でした。
ポイント 発酵に効いてくるのは「気温」だけではありません。湿度が高いほど、生地は同じ温度でも早く発酵が進みます。 涼しい朝でも油断できないのが梅雨です。
何が起きたのか
この日は 30℃のホイロ でハンバーガーバンズを発酵させました。
ところが、湿度93%の環境では生地の進みが想像以上に速く、いつもと同じ時間を置いた結果

▲ キャプション例:横に広がり、隣同士くっついてしまったバンズ。丸みが出ていません
- 生地がパンパンに膨らみすぎて ガスを支えきれなくなり
- 焼成に入る前から 横に広がって
- 焼き上がりは、丸みのない 平たいバンズ に
隣の生地とくっついてしまったものもありました。これが「過発酵」のわかりやすいサインです。 <!– 📷【写真③|オーバル型のロール(横から)】ここに挿入 –>
▲ キャプション例:同じ日に焼いた菓子ロールも、上に伸びず平たい仕上がりに
なぜ潰れる? 過発酵のメカニズム
発酵とは、酵母が糖を食べてガスをふくらませる工程です。適度なところで止めれば、ふっくら元気なバンズになります。
問題は、ふくらみのピークを過ぎてしまったときです。
- 生地の骨組み(グルテン)がゆるみ、ガスを 支えられなくなる
- ふくらむ力より、横に流れる力が勝ってしまう
- 結果、上に伸びず 平らに広がる
注意 過発酵した生地は、見た目が大きくても中身はスカスカ。焼くとしぼんだり、平たくなったりします。「大きい=よく発酵できた」ではないことが、梅雨は特に大事です。
湿度の高い日に失敗しない3つのコツ
同じ失敗を繰り返さないために、私が意識しているポイントです。
① 発酵「時間」を短めに切り上げる
湿度が高い日は、いつもの時間より 早めにホイロから出す のが基本です。
カレンダー通りの分数ではなく、生地の状態で判断するのが安全です。
ポイント 「時間が来たから出す」ではなく「いい状態になったから出す」。湿度93%のような日は、普段より数分早いことも珍しくありません。
② 仕上がりの「見極めサイン」で判断する
時間ではなく、生地そのものを見ます。
- 指でそっと押して、ゆっくり半分くらい戻るくらいが目安
- 一気に大きく膨らんで、表面が薄く張りすぎているときは進みすぎのサイン
- 触ってフワフワを通り越して 頼りない感触 なら、出すのが遅い
③ 温度・湿度の設定を「その日仕様」に見直す
ホイロの設定も、季節と天気で微調整します。
- 高湿度の日は、設定を上げすぎない
- 庫内がすでに湿っている日は、加湿を控える意識を持つ
注意 ※具体的なホイロの温度・時間は、その日の生地量や環境で変わります。お店の標準設定をベースに、天気を見て微調整するのがおすすめです。 (この日のように湿度90%超の朝は、特に発酵が走りやすいので要注意です)
まとめ|梅雨の発酵は「天気を読む」ことから
今回の失敗をひと言でまとめると、こうなります。
- 気温が低くても、湿度が高ければ発酵は早く進む
- 過発酵すると、バンズは上に伸びず 平らに潰れる
- 対策は「時間より状態で判断する」こと
毎日、同じレシピでも仕上がりが違うのが、パン作りの難しさであり面白さでもあります。
失敗した日のデータをこうして残しておくと、次の梅雨はきっと、もう少し上手に天気と付き合えるはずです。今日の一枚の天板が、明日のヒントになりますように。

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