“梅雨の食パンがべたつく・膨らまない原因と、湿度に合わせた温度調整の方法”

梅雨の時期になると、いつも通りに作っているはずの食パンが、なぜかべたついたり、膨らみが悪くなったりしませんか。

結論から言うと、その原因のほとんどは「気温と湿度の上昇による発酵と生地温度のズレ」です。この記事では、横浜で毎日パンを焼いている私が実際にやっている、湿度に合わせた温度調整の方法を、具体的な数字とともにお伝えします。同じように梅雨のパン作りで悩んでいる方の参考になればうれしいです。

なぜ梅雨は食パンが失敗しやすいのか

梅雨に食パンがうまくいかなくなる理由は、大きく3つあります。

1つ目は、気温が上がって発酵が進みすぎること。気温が高いとイーストの働きが活発になり、いつもと同じ時間でも過発酵になりやすくなります。過発酵の生地は、焼くとべたついたり、目が詰まったりします。

2つ目は、湿度が高くて生地が水分を抱え込みやすいこと。空気中の水分が多いと、こね上げた生地がベタつきやすく、扱いづらくなります。

3つ目は、粉や水そのものの温度が高くなっていること。常温で置いている小麦粉も、梅雨時期は思った以上に温度が上がっていて、これがこね上げ温度を押し上げてしまいます。

つまり、レシピを変えていなくても、季節が生地のコンディションを変えてしまっているわけです。

いちばん大切なのは「こね上げ温度」

梅雨のパン作りで私がいちばん意識しているのが、こね上げ温度です。

食パンの場合、こね上げ温度の目安は24〜26℃。ところが梅雨になると、同じ作り方でも28℃近くまで上がってしまうことがあります。たった2〜3℃の違いでも、発酵のスピードは大きく変わります。

こね上げ温度を狙い通りにするコツは、仕込み水の温度で調整することです。気温が高い梅雨の時期は、冷たい水を使ってこね上げ温度を下げます。私の場合、梅雨で室温が高い日は、仕込み水を冷蔵庫で冷やしておくか、氷水を使うこともあります。

横浜での私の調整例(湿度別)

参考までに、私が横浜で実際にやっている調整を湿度別にまとめます。あくまで私の環境での目安なので、ご自身のキッチンに合わせて少しずつ試してみてください。

湿度60%くらいまでの日は、ほぼいつも通り。仕込み水は常温〜少し冷たいくらいで、一次発酵もレシピ通りの時間でいけます。

湿度70%前後の日は、仕込み水を冷やして、こね上げ温度が25℃を超えないように意識します。一次発酵は、時間ではなく生地の膨らみ具合(フィンガーテスト)で見極めます。

湿度80%を超える日は、仕込み水は氷水も使い、発酵時間は短めに切り上げます。少し早いかなと思うくらいで次の工程に進むと、ちょうどよく仕上がることが多いです。

時間ではなく「生地の状態」を見る

梅雨の時期にいちばんお伝えしたいのは、レシピに書かれた発酵時間を信じすぎないこと、です。

「一次発酵60分」と書いてあっても、梅雨の暖かい日には45分で十分発酵していることがあります。時計ではなく、生地そのものを見てあげてください。

フィンガーテスト(粉をつけた指を生地にさして、穴がゆっくり少し戻るくらいが適正)を覚えておくと、季節に振り回されずに判断できるようになります。

まとめ

梅雨の食パン作りのポイントを、もう一度整理します。

・原因は「気温・湿度の上昇による発酵と生地温度のズレ」
・いちばん大事なのは、こね上げ温度を24〜26℃に保つこと
・仕込み水を冷やして温度を調整する
・発酵は「時間」ではなく「生地の状態」で見る

梅雨はパン職人にとって難しい季節ですが、温度と湿度を意識して調整すれば、一年でいちばん安定した生地に出会えることもあります。ぜひ、ご自宅のキッチンでも試してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました